研究課題/領域番号 |
25670327
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
島 正之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)
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研究分担者 |
大谷 成人 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10561772)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | エンドトキシン / 浮遊粒子 / アレルギー / 生活環境 |
研究概要 |
浮遊粒子状物質の採取及びエンドトキシンの測定法についての基礎的検討を行い、一般家屋内外の濃度及び個人曝露量の測定に適用できる定量的かつ簡便な方法を確立した。 1.粒子状物質の採取条件の検討:様々な条件下で浮遊粒子状物質を捕集してエンドトキシン量を測定し、結果の再現性、粒子の質量濃度及び粒子中の炭素成分との関連などを検討する。粒子状物質は、ミニポンプ(MP-Σ300N)に単項式多段インパクタのホルダー(ATPS-20H)を接続して1.5 L/minで空気を吸引し、予め滅菌したフィルター上に粒径2.5μm以下の微小粒子(PM2.5)と10~2.5μmの粗大粒子(PM10-2.5)を分級捕集した。様々な吸引条件、フィルターの材質等を施行した結果、石英繊維フィルターを高温滅菌して使用し、48時間の捕集を行うことにより最も再現性のある結果が得られることが確認できた。 2.エンドトキシン・大気汚染物質への曝露評価:本研究に同意を得た15世帯を対象に、1で確立された条件により、家屋内外において浮遊粒子状物質の48時間の捕集を2回(平日、週末)ずつ行い、採取された粒子中のエンドトキシン量の分析を行った。15世帯の平均では、微小粒子中のエンドトキシン量は屋内では平日0.121EU/m3、週末0.184EU/m3、屋外ではそれぞれ0.058、0.087EU/m3であり、屋外よりも屋内のほうが2倍以上であり、また、屋内外ともに平日よりも週末のほうが約1.5倍と高かった。粗大粒子中のエンドトキシン量は屋内では平日0.082EU/m3、週末0.121EU/m3、屋外ではそれぞれ0.060、0.077EU/m3であった。微小粒子中のエンドトキシン量と同様に、平日よりも週末のほうが高かったが、屋内では微小粒子中のエンドトキシン量よりもかなり少ないことが明らかとなった。また、家庭環境により大きな差がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
浮遊粒子中のエンドトキシン量を再現性よく測定できる条件を確立し、実際の家庭を対象とした調査も当初の計画通り開始することができるなど、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
家庭における環境測定調査を継続して実施し、データの集積を図り、家庭の生活環境によるエンドトキシン量への影響を評価する。また、喘息の既往がある者を対象として、毎日の肺機能とエンドトキシン量の測定を繰り返して行い、その関連性を明らかにしたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に行った採取条件の検討では、既に保有している装置等を有効に活用することにより、必要経費を節減することができた。 対象家庭の屋内外の環境測定調査を継続して行うことを予定しており、調査協力者の健康影響の評価などを詳細に実施するために使用する計画である。
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