研究課題
一般家屋55世帯の家屋内外に、ミニポンプ(MP-Σ300N)に単項式多段インパクタのホルダー(ATPS-20H)を接続して設置し、平日と週末にそれぞれ48時間ずつ、流量1.5 L/minで連続して空気を吸引して、予め250℃で2時間滅菌処理を行った石英繊維フィルター上に粒径2.5μm以下の微小粒子(PM2.5)と粒径2.5-10μmの粗大粒子(PM10-2.5)を分級捕集した。粒子中のエンドトキシンの分析にはリムルスES-IIシングルテストワコー(和光純薬工業)を用いて、トキシノメーターET-6000(和光純薬工業)でフィルター中のエンドトキシン量を測定し、空気の捕集量により濃度を計算し、EU/m3単位で表した。PM2.5中のエンドトキシン濃度の幾何平均±標準偏差は、屋内0.13±2.16 EU/m3、屋外0.09±2.04 EU/m3であった。PM10-2.5中のエンドトキシン濃度は、それぞれ0.09±2.25 EU/m3、0.07±1.72 EU/m3であり、いずれも屋内のほうが屋外よりも高かった。屋外、屋内ともにPM2.5とPM10-2.5中のエンドトキシン濃度の間には中程度の相関があった(それぞれr=0.68、r=0.44)。屋内のエンドトキシン濃度と家屋構造や生活環境との関係を検討したところ、PM2.5、PM10-2.5中のエンドトキシン濃度は、いずれも床に畳または絨毯を使用している家庭はフローリングの家庭よりも有意に高かった。その他の因子との関連では、PM2.5中のエンドトキシン濃度は、ペットを飼育している家庭で有意に高く、空気清浄機を使用している家庭では有意に低かった。一方、PM10-2.5中のエンドトキシン濃度は子どもの数との関連があり、子供が2人以上いる家庭では有意に高かった。家屋の構造との関連はいずれも有意ではなかった。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
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