食中毒予防や疾病予防には有害微生物を滅菌・消毒する衛生管理が必要不可欠である。安価で効果的な滅菌法として高圧高温蒸気滅菌(オートクレーブ)が知られているが、開放空間では不可能であるため、環境の衛生管理には薬剤が使用される場合が多い。しかし薬剤の使用は、環境負荷の問題や、有機物存在下で効果が低下する問題等がある。本研究では、大気圧下で飽和水蒸気をさらに加熱することで得られる過熱水蒸気に注目し、高濃度有機物存在下での滅菌法の開発を目指し、5秒間曝露することで滅菌しうることを明らかにした。また、現場での使用を目的とした小型可動型過熱水蒸気滅菌装置の試作も行った。
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