高知大学病院が蓄積している大量の医療データの中には健康な人に近い患者(準健康人)も少なくない。その準健康人の中で長期間の受診歴を持つ人を抽出し、長期間の追跡調査を必要とする研究に活用できないか検討した。その結果、5年以上の受診歴があり、追跡初期において医療介入もない準健康人は少なくないが、50代女性で100名を超える対象が得られた。その人たちの虚血性心疾患発症の追跡調査により得られた結果は大規模な直接的な調査の結果と概ね一致することが示された。これにより、直ちに本調査手法が有効と断定することはできないが、準健康人を活用する調査は十分可能性のある調査手法であることは示されたと考える。
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