法医学において年齢推定は重要な鑑定項目の1つであるが、DNA解析による方法はまだ確立されていない。本研究では、染色体DNA上のミトコンドリアDNA(mtDNA)配列(NUMTS)の生成機構に着目して、DNA解析による年齢推定法の確立を目指した。そこで、時間依存的因子により生じる二本鎖切断の修復時に、新たなNUMTSが生じることを証明する実験系の構築を行った。染色体に組み込まれた時のみ蛍光が出るよう改変した遺伝子をもつmtDNAを導入した培養細胞の作製を試みた。また、染色体の特定部位を制限酵素で切断し、その修復時に取り込まれるDNAを解析可能な実験系の構築を行った。研究は現在も継続中である。
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