研究分担者 |
谷口 香 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤研究員 (40599784)
北尾 孝司 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (60218047)
高田 智世 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (70310894)
山崎 雪恵 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (60444676) [辞退]
三浦 雅布 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80616235)
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研究実績の概要 |
乳幼児突然死の死因・誘因として従前は着目されていなかった心臓の形態異常、細菌感染、劇症Ⅰ型糖尿病、 生活ストレスのマーカーとして、平成27年度には、心臓横断面における左右心腔の面積比ならびに左心室における左心腔の割合、Cronobacter sakazaki の消化管感染、血中1,5-Anhydroglucitol濃度、血中唾液アミラーゼ濃度に焦点を絞って、乳幼児死亡例を含めた検討を進めた。心臓横断面における左右心腔の面積比は、乳幼児では当初予想より数値のばらつきが大きく一般的に論ずることは困難であったが、極端な高値例が存在し、更に発展的に研究する意義があるものと思われた。左心室における左心腔の割合については、具体的な死因名の確定が困難な病死で相対的低値、その他では相対的高値の傾向が見られ、乳幼児突然死例における左心機能異常の視点から、新たな研究の端緒になるものと考えられた。Cronobacter sakazaki の消化管感染については調査全例で陰性となった。このことは同菌の消化管感染による乳幼児死亡が頻繁には起こっていないことを示している一方で、一般に検出される菌ではないことも示しており、検出されれば死因判定上の意義を持つことが示された。なお本研究に密接に関連して、感染症が関係した乳幼児の事例研究も研究期間中に行った。血中1,5-Anhydroglucitol濃度については、劇症Ⅰ型糖尿病が積極的に疑われた乳児死亡例はなく診断意義を具体的に掴むことはできなかったが、成人例では診断上の意義が示された事例があり、乳幼児事例にもに応用可能と考えられた。生活ストレス指標としての血中唾液アミラーゼ濃度については、乳幼児突然死との一般的関係を見いだすことは困難であった。乳幼児突然死の死因・誘因として本研究で着目したマーカーの一部は、更に発展的な研究につながる可能性が考えられた。
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