法医解剖123例の刺激伝導系心筋の病理形態解析の結果、水平法を用いた洞房結節の組織形態解析が有用であり、刺激伝導系心筋の密度は年齢と負の相関がみられた。房室結節の連続組織観察では心臓死、非心臓死例いずれも刺激伝導系心筋の病的所見が認められる例があり、所見の評価には慎重な判断が必要と考えられた。 不整脈関連13遺伝子の全エクソン解析では、確認された4種の遺伝子変異がいずれも不整脈死例と非不整脈死例に認められたことから、確認された変異を直ちに不整脈死と関連づけるのは困難と考えられた。同時に実施した病理形態解析でも不整脈死を積極的に示唆する病理所見は認められなかった。
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