ヒト特異性の高いmRNAを標的とした血液証明法の開発を目指して、血液からのRNAの抽出、cDNAの合成、RT-PCRによる遺伝子確認の一連の検査系を構築した。標的遺伝子Glycophorin A(GLYA)、beta-Spectrin(SPTB)、beta-Hemoglobin(HBB)について、血液特異性、種特異性、検出感度、陳旧試料、洗剤・消毒剤が及ぼす影響、覚せい剤が及ぼす影響を検討した。結果、血液特異性、検出感度、安定性の点ではHBB、人獣鑑別の点ではGYPAが有効であった。従って、GYPAとHBBを指標とするヒト血痕証明法は正常な血痕資料に対しては適用可能と考えらえた。
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