研究課題/領域番号 |
25670348
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
原田 一樹 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 准教授 (00253146)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 再生医療 / 脳・神経 / 病理 |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は、頭部外傷による虚血侵襲を受けた剖検脳を用いて、成人脳のニューロン再生の舞台として知られている側脳室・脳室下帯(及び上衣細胞)の形態学的変化を病理組織学的に解析することである。さらに研究で得られた結果から神経再生のメカニズムを解明し、最終的には脳の再生医療に有益な情報を法医学領域より提供することを目指す。 通常、頭部外傷事例を解剖する機会を持つのは、(病理学者ではなく)法医学者である。したがって、法医解剖からのみから得られるヒト頭部外傷の剖検脳を用いての神経再生に関する研究は前例がなく独創的である。 以上のことから、本研究遂行のために特に重要なプロセスは、解析に必要な数の頭部外傷事例及び年齢をマッチさせた対象事例の集積である。前年度の「研究実績の概要」に記載したように、平成26年度でデータ解析に十分な事例はほぼ集まったと考えたが、受傷後の形態学的変化をより詳細に検討するために必要な、『受傷後からある程度の時間(数週間、数ヶ月)が経過して死亡した事例』は十分に集まっていない状態であった。平成27年度にはさらに事例の集積を継続していたが、期待していた事例を集積することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験に必要な左右の側脳室(上衣細胞、脳室下帯を含む)は、高度腐敗事例を除くほとんどの事例においてルーチンで切り出しているため、パラフィンブロックまではすでに作成済みであり、多くの事例ではルーチン組織染色も完了している。最終年度である平成27年度には免疫組織化学染色を完了する予定であったが、継続していた事例集積に関して、期待していた事例が集まらなかった。また、平成27年度は全体の業務における解剖業務の比重が増加したため、本研究のエフォート率を下げざるを得なかったことも遅延に寄与している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度より本講座にスタッフが1名増えたため解剖業務の負担が軽くなり、研究へのエフォート率を上げることができると考えている。ルーチン染色を続行し、免疫組織化学染色を完了し、データ解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた研究実施(特に免疫組織化学染色)の遅延のため、購入予定であった物品を購入しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
購入予定であった物品を購入する。また、データ解析に非常に有用であると思われる画像解析ソフトの購入も計画している。
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