研究課題
加齢(老化)そのものが、先進国で社会的・医療的課題となりつつある。加齢(老化)は多くの生活習慣病の疫学的危険因子であり、超高齢社会の到来する日本でも、加齢性生活習慣病や寝たきりの増加(介護負担の増加)という社会的大問題に直面しつつある。将来的な解決法として、「老化」そのものを「病気」と捉え、「老化」をターゲットとした治療や臨床診断応用が今後重要になると予想される。一方最近、低分子レスベラトロールは長寿遺伝子Sirt1(1999年グアランテ博士らの発見したSir2のホモローグ)やAMPキナーゼ(カーリング博士らの発見した飢餓時の重要遺伝子)を活性化し、健康効果を発揮すると判明した。我々は本計画で、沖縄科学技術大学院大学柳田充弘教授とメタボローム解析に関し、共同研究を開始した。メタボロームとは、細胞が生きている間に合成・代謝する非常に小さなメタボライト(代謝物)成分(低分子)を、マススペクトロメトリー応用する事により網羅的に計測する最先端技術である。まず、酵母とヒト血液のメタボローム比較を検討し、80%以上の類似性があり、進化上メタボライトも保存されていることを報告した(ロマス他Mol Biosys 2014)。さらにレスベラトロールの経皮吸収をメタボローム解析し、皮膚ではそのグルクロン抱合修飾が直接なされることを報告した(村上他PLOSONE2015)。さらに高齢と若年での血液メタボローム比較を行い、14個の新規老化マーカーの発見に成功した。以上のように、十分な成果をもたらした。
すべて 2015 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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