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2013 年度 実施状況報告書

肥満症における病態特異的グレリン自己抗体の同定

研究課題

研究課題/領域番号 25670355
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関鹿児島大学

研究代表者

乾 明夫  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80168418)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード肥満症 / グレリン / 自己抗体
研究概要

本年度は、(1)肥満症におけるグレリン自己抗体の精製、解析と(2)構造決定と正常および肥満モデル動物における精製グレリン自己抗体の解析を行った。
患者血中の食欲促進ペプチドグレリンと、アシル基の無いデスアシルグレリンを区別して、それぞれの自己抗体を同定し、グレリンペプチド自己抗体は、各々のELISA法で同定し、IgA、IgG、IgM型に分別、精製した。遊離型および結合型の自己抗体を解析し、その親和性やグレリンシグナリングに及ぼす影響を、表面プラズモン共鳴(SPR)原理を用いたバイオセンサーを主に用いて解析した。細胞発現系を用いた解析は一部、連携研究者である国立がんセンター研究所上園により施行され、食行動や情動・認知との関連を神経心理学的に検討し、グレリンを含む血中ペプチドレベル、代謝産物、インスリン抵抗性や治療における変動、病態、合併症等との関連を解析しつつある。
(2)に関しては精製グレリンペプチド自己抗体を、マウスに腹腔内投与し、食欲・体重調節やエネルギー代謝、不安等の情動、認知・学習に及ぼす影響を解析した。不安・抑うつ評価系としては、高架式十字迷路、オープンフィールドテストや強制水泳モデルを用い、認知・学習は受動回避試験でスクリーニングの後、空間認識を反映するモリス水迷路を用い、解析を行いつつある。動物の行動解析をより鋭敏に行うために、摂食・飲水量経時記録装置(K2-CABIN)を用いた。長期にわたり摂食・飲水量を記録することで、より詳細な解析が可能になるためである。肥満患者のグレリン自己抗体は、グレリンシグナリングに正の作用を及ぼすことを証明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肥満症患者からグレリンシグナリングを増強させる自己抗体の同定に成功し、Nat Commun (2013)に報告することができた。

今後の研究の推進方策

グレリンペプチド自己抗体の解析、および肥満モデル動物、マーモセットなどに対するペプチド・抗体医薬の意義の確立と応用を進める。自己抗体の構造決定のための単離が技術的に難しく、今種々のアプローチを行いながら、その克服に努力している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Anti-ghrelin immunoglobulins modulate ghrelin stability and its orexigenic effect in obese mice and humans.2013

    • 著者名/発表者名
      Takagi K, Legrand R, Asakawa A, Amitani H, François M, Tennoune N, Coëffier M, Claeyssens S, do Rego JC, Déchelotte P, Inui A, Fetissov SO.
    • 雑誌名

      Nature communications

      巻: 4巻 ページ: 2685

    • DOI

      10.1038/ncomms3685

    • 査読あり
  • [学会発表] 肥満症診療のトピックス‐食欲調節ペプチドを中心に-

    • 著者名/発表者名
      乾 明夫
    • 学会等名
      第95回土曜会
    • 発表場所
      三宮研修センター(兵庫県神戸市)
    • 招待講演
  • [学会発表] Ghrelin and its autoantibodies in anorexia nervosa

    • 著者名/発表者名
      乾 明夫
    • 学会等名
      第11 回世界生物学的精神医学会国際会議
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府京都市左京区)
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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