Micro RNAの1つであるmiRNA-33b(miR-33b)は膜結合型転写因子SREBP1と協同して脂質代謝を調節し細胞内コレステロールの恒常性を維持している。C型肝炎ウイルス(HCV)複製増殖細胞にmiR-33b阻害剤を投与しHCV複製への阻害効果を検討した。HCV複製や粒子産生に有利な脂質豊富な環境を作るためmiR-33bの発現亢進を予想したが、HCV蛋白発現細胞及びC型肝炎患者の肝生検検体で、miR-33b発現量はコントロールと比較し有意差を認めなかった。miR-33b阻害剤の投与でHCV蛋白発現及びRNA複製レベルに変化は認めず、新規抗ウイルス薬としての有用性は否定的であった。
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