研究課題/領域番号 |
25670362
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
福田 眞作 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60261450)
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研究分担者 |
佐々木 賀広 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70178672)
鬼島 宏 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90204859)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 蛍光標識グルコース / 胃癌 |
研究概要 |
生検診断における悪性度評価は、その後の治療方針を決定する上で極めて重要な意味をもつ。正確な悪性度評価が可能となれば、無用な経過観察を減少させて、適切な治療が早期に実施されることとなる。そこで、悪性度の高い癌を正確に識別できる新規蛍光標識グルコース誘導体用いて、胃癌の生検診断が可能かどうか、以下の検討を行った。 胃癌の内視鏡的治療直前に,内視鏡治療で切除が予定されている部分(癌および癌周囲組織)からの生検(直径1-2mm程度のサンプリング)標本を用いて、市販の蛍光内視鏡(オリンパス社製)を用いて観察を行った。生検組織(癌部、非癌部)の自家蛍光観察像を撮像後、蛍光標識グルコース液に一定時間浸漬させた後に再度自家蛍光観察を行い、それぞれの蛍光強度を測定しその差の定量化を試みた。 蛍光強度iAF (Intensity of AF)は、蛍光標識グルコース液の浸漬により32から42に増強した。しかしながら、同様の傾向は癌周囲組織(非癌部)でも観察され、今回の内視鏡下の生検組織を用いる方法では、正確な悪性度評価が困難と考えられた。 蛍光標識グルコースが、生検による細胞膜損傷によって、癌細胞、非癌細胞に関わらず細胞内に非特異的に浸透した可能性があり、癌細胞の特異的な取り込みを証明できなかった。 平成26年度は、阻血時間が短く、細胞ダメージが少ないと考えられる胃癌の内視鏡的粘膜切除標本を用いて、同様の測定を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
蛍光標識グルコースの安全性評価(動物実験)の遅れにより、標識グルコースの入手が困難な時期があり、研究に遅れが生じた。25年度の検討では生検組織を用いた対外診断としの問題点(生検による組織のダメージ)が浮き彫りとなった。
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今後の研究の推進方策 |
生検という侵襲操作による虚血が、非選択的なグルコースの浸透を惹起した可能性がある。より阻血時間の短い、内視鏡的粘膜切除標本による検討を、同様な方法で行う。 生体内使用の安全性が評価され次第、内視鏡下散布による生体内診断法としての可能性を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
必要な物品の購入が間に合わなかった。 今年度物品費と合算して、購入予定である。
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