蛍光標識L-glucose誘導体は、癌組織に特異的に取り込まれることが知られている。L-glucose誘導体は、現有の蛍光内視鏡により局在を可視化することができる。まず、胃粘膜の生検標本(癌・非癌部)にL-glucose誘導体を浸透させ、蛍光内視鏡で蛍光強度を定量比較したが、蛍光強度の有意差は得られなかった。組織損傷による非特異的取り込みが原因と考えられた。そこで胃粘膜下層剥離標本、胃粘膜切除標本等で同様の測定を行ったが、有意差は得られなかった。このことから、切除標本では組織損傷を極小化することは困難と考えられ、消化管粘膜への直接散布にて局在を可視化できるか検証する必要があると考えられた。
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