ヒトiPS細胞は多能性と高増殖性を持ち再生医療の重要なソースである。我々はヒトiPS細胞から肝前駆細胞の誘導・培養系を構築している。そこで、ヒトiPS細胞由来肝前駆細胞の長期培養における性状解析を行った。その結果、この細胞に強く発現する細胞表面抗原を複数同定した。例えば、CD221(IGF1 receptor)はヒトiPS細胞由来肝前駆細胞に強く発現する一方で、そのリガンドであるIGFは肝前駆細胞の増殖を支持するフィーダー細胞に発現することを見出した。以上の結果から、フィーダー細胞とヒトiPS細胞由来肝前駆細胞との間にパラクライン的相互作用による増殖制御機構が存在することを明らかにした。
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