スタチンは、脂溶性・水溶性に関わらず、血管内皮細胞でSmg-GDSの発現を用量依存的・時間依存的に亢進させた。スタチンにより発現が亢進したSmg-GDSは、低分子量Gタンパクの一つであるRacと複合体を形成し核内へ移行し、そこでproteasomeによりRacが分解されることが分った。一方で、SmgGDSは、もう一つの低分子量GタンパクであるRhoとは結合せず、Rhoは核内には移行せず、細胞質内に留まることが分った。このように、スタチンの有する多面的作用の本質的な分子機構に、SmgGDSが重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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