近年、冠動脈疾患治療には薬剤溶出性ステントが用いられている。しかし、この薬剤は血管内皮細胞を障害するため、血栓症などの発症が問題となっている。我々は、血管内皮細胞を誘導する作用のあるマイクロRNA(miR)-126に着目し研究を開始した。まず、miR-126を発現させるための2本鎖合成RNAを設計した。この2本鎖合成RNAを乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)ナノ粒子に含有させ、ステントに電気的に均一にコーティングし、局所で徐放化できるステントを開発した。ウサギの腸骨動脈においてmiR-126搭載ステントがコントロールRNAと比較して、有意に再狭窄予防効果を持つことが明らかとなった。
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