心筋細胞においてミトコンドリアは細胞の代謝、エネルギー産生及び細胞死に重要である。ミトコンドリアは、分裂・融合を繰り返し、恒常性を維持している。ミトコンドリア内膜融合阻害因子MIFIの発現を各臓器において検討し、心臓において優位な発現を認め、さらに心病態において発現の低下を認めた。心筋特異的にMIFIを過剰発現させた動物を作製した結果、生理条件下においては、心重量・心エコーによる心機能解析・分子マーカーの変化を認めなかったが、大動脈縮窄により圧負荷を作製し、ストレス応答を検討したところ、心重量の有意な増大と左室駆出率の有意な低下を認め、ストレス応答において障害的に働く事が明らかとなった。
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