研究課題
挑戦的萌芽研究
① 心臓形成転写因子欠損マウス:Nkx2.5 ノックアウトマウス(Terami et al. Biochem Biophys Res Commun 2007)のヘテロマウスNkx2.5(+/-)を入手し、繁殖した。その後、Nkx2.5(+/-)マウス同士を交配し、2.5 dpcの受精卵を採取した。② マウス蛍光標識ES細胞:DsRed標識ES細胞を未分化状態で維持培養した。③胚盤胞への細胞移植:上記①で採取し、培養した受精卵(胚盤胞)に、②のES細胞を顕微鏡下で注入した。その後、卵割を確認した後で、仮親マウスの子宮への移植を行った。④同種キメラマウス心の形態・機能評価 (in vivo実験):上記③で仮親マウス子宮内に移植した受精卵から受精後胎仔について、蛍光実体顕微鏡を用いてDsRed陽性細胞の分布を調べた。④同種キメラマウス心の形態・機能評価 (in vitro実験):上記③で仮親マウス子宮内に移植した胎仔マウス(14個体)について、心臓および全身臓器を固定し、蛍光標識した野生型マウスES細胞あるいはマウスiPS細胞の分布を調べた。その結果1個体(胎仔)において、心臓全体でDs-Redによる蛍光が観察され、マウス同種による胚盤胞補完が生じた可能性が示唆された。
3: やや遅れている
Nkx2.5(+/-)マウスの繁殖、交配し、受精卵(2卵割期)採取の実験を頻回に実施していたが、受精卵を抱卵していることが極めて少なく、また、繁殖スペースも限られていたため、実際にES細胞を受精卵に移植する実験を実施できる回数が限られていることが理由。
Nkx2.5(+/-)マウスの繁殖スペースを新たに確保し、交配できる維持個体数を増やすとともに、交配とこの遅れを取り戻すために繁殖数を増やすして、最大限の努力を引き続き行う。その上で、受精卵が順調に採取できるようになったら、同種キメラマウス心の形態評価に加え、機能評価実験を、胎仔および出生後の新生仔、さらに生後2週齢、4週齢、8週齢のマウスについて、実施する。さらに、心臓構成細胞中どのタイプの細胞に蛍光標識細胞が見られるかを観察する。さらに、蛍光標識心筋細胞の電気生理特性をOptical mapping法、単離心筋細胞のCa感受性/電位感受性色素を用いたイメージング実験により調べる。また、同種ES細胞での胚盤胞補完が確認できたら、マウス-ラット異種ES、マウス-ラット異種iPS(ラットiPSをマウス受精卵に移植)ついての実験を行う。
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