研究実績の概要 |
ヒト線維芽細胞でセンダイウイルスベクターによる心筋直接リプログラミング (1) ヒト細胞での最適なセンダイウイルス導入量の決定と心筋直接誘導。 昨年度までのマウス細胞での研究結果を参考にヒト細胞で心筋誘導を行った。細胞は心臓外科手術でカニュレーションのため取り除く心筋組織から心臓線維芽細胞を培養する。通常は破棄される組織を用いるため、患者に新たな負担を加えることはなく人権擁護上問題とならない。これまでの実験でヒト心臓線維芽細胞の培養およびGata4, Mef2c, Tbx5, Myocd, Mesp1,miR-133をレトロウイルスを用いた方法で心筋直接誘導に成功している。まず同じセンダイウイルス遺伝子ベクターを作製した。まずセンダイウイルスでGata4, Mef2c, Tbx5のみをヒト心臓線維芽細胞に導入したところ十分に心筋誘導が得られなかった。そこでレトロウイルスと同様にGata4, Mef2c, Tbx5, Myocd, Mesp1,miR-133の6因子をヒト心臓線維芽細胞に導入したところ心筋誘導を確認できた。 (2) ヒト誘導心筋細胞の遺伝子発現プロファイル、生理的機能の検討 ヒト心臓線維芽細胞から分化転換した誘導心筋細胞の遺伝子発現プロファイルをマイクロアレイ、定量的RT-PCR、免疫染色、生理機能をCaイメージングした。6因子により約15%の心筋誘導が確認できた。また遺伝子発現解析でも心筋遺伝子上昇と線維芽細胞遺伝子現象がみられた。
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