研究課題
1)EGFR経路の活性化とPD-L1の活性化による免疫抑制,気管支上皮細胞でのEGFR遺伝子変異の発現がPD-L1を誘導し、EGFR遺伝子陽性肺癌でEGFR阻害薬によりPD-L1発現が減少することが示唆されている。Exon19欠失EGFR遺伝子改変マウスでの肺腺癌組織におけるPD-L1発現を免疫染色で検討した。方法:検体は8週齢のマウスExon19欠失EGFR遺伝子改変マウスでの肺腺癌組織を用いた。ポジティブコントロールとしてマウスPD-L1が高発現しているGVHDマウスモデルの皮膚を使用した。結果:EGFR遺伝子改変マウスでの肺癌組織では抗体で阻止実験のできるレベルのマウスPD-L1の発現は残念ながら認められなかった。2)岡山大学病院で2004年~2008年に切除された肺腺癌組織を使用して、PD-L1発現を免疫染色で調べた。EGFR遺伝子変異はPNA LNA PCR-Clamp法で測定した。結果:検体数は25例で全て肺腺癌症例であった。年齢中央値は64歳(範囲47~83歳)、男性4例、女性21例であった。術後病期はⅠ期22例、Ⅱ期2例、Ⅲ期1例であった。PD-L1陽性症例が全体で13/25 (52%)であり、EGFR遺伝子変異陽性例は12/25 (48%)であった。EGFR遺伝子変異陽性症例中9/12 (75%)がPD-L1陽性であり、EGFR遺伝子変異陰性症例中4/13 (31%)でPD-L1陽性であった。結論:肺腺癌切除症例においてEGFR遺伝子変異陽性とPD-L1発現に相関関連が示唆された(P=0.047, Fisher's exact test).現在,マウスモデルでの結果とヒト検体でのdiscrepancyを科学的に証明できていない。
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