研究課題
挑戦的萌芽研究
GFP-LC3-TGマウスを使用し、急性腎障害でオートファジーが引き起こされる新規遺伝子Sestrin2に注目し、Sestrin2が急性腎障害回復期に近位尿細管細胞で誘導され,LC3-GFPで観察されるAutophagozomeとの局在を共焦点顕微鏡で観察する。またマイトファジーであることの確認にはミトコンドリア型Mn-SODをマーカーとして使用し、in vivoでAutophagozomeがミトコンドリアで起こっていることを確認する。同時にRT-PCR, Western blotを用いた遺伝子とタンパク発現の両面からSestrin2およびBNIP3のオートファジー系への作用を検討した。ミトコンドリアでAutophagozomeがおこるマイトファジーを現在確認できる系ができつつあり、Sestrin2遺伝子とBNIP3遺伝子のマイトファジーへの影響を検討する。同時にRT-PCR, Western blotを用いた遺伝子とタンパク発現の両面からSestrin2とBNIP3のオートファジー系への作用を検討した。ALA(5-aminolevurinic acid)の低酸素負荷時のミトコンドリアへの保護作用を、マイトファジーへの影響とLC-3, BNIP3, Sestrin3などマイトファジー関連遺伝子の発現調節をLCGFP TGマウスを用いて検討した。安全性の高いアミノ酸(ALA;5-aminolevurinic acid)のミトコンドリア保護作用および、急性腎障害の予防作用をミトコンドリア酵素の発現調整と抗apoptosis作用および安全性を動物実験で確認した。
2: おおむね順調に進展している
GFP-LC3-TGマウスを使用し、急性腎障害でオートファジーが引き起こされる新規遺伝子Sestrin2に注目し、Sestrin2が急性腎障害回復期に近位尿細管細胞で誘導され,LC3-GFPで観察されるAutophagozomeとの局在を共焦点顕微鏡で観察する。またマイトファジーであることの確認にはミトコンドリア型Mn-SODをマーカーとして使用し、in vivoでAutophagozomeがミトコンドリアで起こっていることを確認する。同時にRT-PCR, Western blotを用いた遺伝子とタンパク発現の両面からSestrin2およびBNIP3のオートファジー系への作用を検討し報告した。安全性の高いアミノ酸(ALA;5-aminolevurinic acid)のミトコンドリア保護作用および、急性腎障害の予防作用をミトコンドリア酵素の発現調整と抗apoptosis作用および安全性を動物実験で確認し報告した。
現在、末期腎不全により、透析療法に至っている患者数は、全国で30万人を越え、今後、糖尿病性腎症の増加、高齢化も加わり、さらに患者数の増加が予想され抜本的対策が急務である。腎障害には、大きく分けて糖尿病などの慢性的な腎障害と、急性腎障害のような虚血などによる数時間でおこるものがある。慢性腎障害時にはストレスにより酸化した蛋白の分解・清浄化の障害が働いていると考えられ、定常的に機能しているオートファジーの低下による異常蛋白の蓄積と細胞障害が病態に関与している可能性がある。また虚血などによる急性腎障害では、細胞は栄養飢餓状態になり、急速に誘導されるオートファジー/マイトファジーの関与が考えられる。このような細胞内のタンパク質分解系が、腎疾患の病態にも深く関与している可能性が高い。そこで申請者らは、特にオートファジー/マイトファジー系について近年のタンパク分解系の分子機構の解明の細胞生物学的研究の発展をふまえて、腎疾患の病態への関与、解明を目指したい。
モデル動物の飼育が予定より遅く、研究計画遅延のため。モデル動物の飼育は現時点で回復しており、平成25年度に実施できなかった実験は平成26年度研究実施予定である。
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Am J Physiol Renal Physiol
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