筋萎縮性側索硬化症 (ALS)などでは、TDP-43が断片化などの修飾を受け、変性神経細胞内に蓄積している。中でも、約25kDaのC末端断片 (CTF25)の蓄積が顕著である。しかし、正確な切断点、切断酵素、切断の生物学的意義の詳細については不明であった。本研究では、小胞体に局在するカスパーゼ4が、174番目のアスパラギン酸残基を認識・切断することによりCTF25が産生されることを明らかにした。本切断は、TDP-43のクリアランス開始のシグナルとなっており、この切断を阻止すると、クリアランス速度が著しく遅くなり、過剰となった完全長TDP-43を介して、細胞死が増悪することも明らかにした。
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