研究課題/領域番号 |
25670424
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中原 仁 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60537950)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多発性硬化症 / 髄鞘 / 可視化技術 / MRI / 病型分類 |
研究概要 |
多発性硬化症は、時間的空間的に多発する脱髄巣を特徴とする。臨床現場においてはMRIにおいてT2強調画像で高信号を呈する(T2-high)病変を一般に「脱髄巣」と呼称する。他方、昨今の病理学的解析では、このようなT2-high病変は必ずしも現在の脱髄を示すものではなく脱髄後に髄鞘再生が得られた治癒病変も含まれることが明らかになっている。結果、T2-high病変量と、臨床的な神経学的症状の相関性が乏しく、clinico-radiological paradoxが問題となっている。申請者らは、Q-space imaging法の応用により、MRIによって髄鞘を選択的に描出するミエリンマップ法を確立し、その臨床応用を開始している。本研究ではミエリンマップ法による髄鞘可視化により多発性硬化症の病型細分類化を可能にし、治療法選択の基盤とすることを目的とする。 平成25年度には約50名(多発性硬化症が約8割、残る2割は健常人ないし多発性硬化症関連疾患等)のミエリンマップ撮影を実施し、うち約10名については間隔を空けて2回以上のミエリンアップ撮影(フォローアップ撮影)が実施された。これらデータを予備的に解析した結果、多発性硬化症にはこれまでのMRI撮影技術では検出できていなかった、細かな脱髄髄鞘再生を繰り返している群が一定割合で存在する一方で、このような変動を伴わない群も存在することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の想定した数の被験者が集まっており、間隔を空けてのフォローアップ撮影についても症例数が順調に増えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き被験者及びフォローアップ撮影の症例数を増やし、交絡因子の解析などを実施し、本研究の目的である、多発性硬化症の病型の髄鞘動態による細分類可否につき検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
画像処理を行うソフトウェアにつき選定を進めた結果、当該ソフトウェアが定期的にバージョンアップすることから、実際の画像処理を実施する直前に購入することが望ましいと判断した。現在は元画像の蓄積を進めているところにて、画像処理を行う際に購入するべく、当該費用及び画像処理にかかる人件費を繰り越した。 画像の蓄積を進めており、画像処理が必要になった時点でのソフトウェア購入及び人件費充当を予定している。
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