脳室下帯は成体神経新生領域の一つである。我々は神経新生を支える神経幹細胞ニッチとして脳室下帯に存在する基底膜様構造“fractone”の機能を解明している。老齢マウスでのfractoneの変化を細胞外マトリックス分子の免疫染色及び透過型電顕(TEM)により形態学的に解析した。細胞外マトリックス分子の発現に大きな変化はなかった。脳室下帯の基底膜ニッチ構造fractoneの大きさが有意に増大し、数が有意に減少していた。fractoneの免疫染色において、10E4抗体(生化学工業)で認識される糖鎖がfractoneと脳室下帯の血管基底膜で特異的に発現していたが、老化脳ではこの発現が減少した。
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