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2014 年度 実施状況報告書

内臓脂肪蓄積病態への腸間膜リンパ節の関与を明らかにする研究

研究課題

研究課題/領域番号 25670434
研究機関大阪大学

研究代表者

下村 伊一郎  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60346145)

研究分担者 福原 淳範  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00437328)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード腸間膜脂肪 / アディポネクチン / 腸間膜リンパ節 / Treg
研究実績の概要

脂肪組織で産生される抗炎症因子であるアディポネクチンが腸間膜リンパ節へ及ぼす作用を明らかにするために、アディポネクチンKOマウスを用いて、免疫細胞数の変化をFACSを用いて解析した。KOマウスの血液、脾臓、精巣周囲脂肪、腸間膜リンパ節におけるCD4+Tリンパ球、CD8+Tリンパ球、Bリンパ球、Treg数を測定した。血中および脾臓では細胞数に変化を認めなかった。腸間膜リンパ節ではTreg数の減少傾向はあったものの有意ではなかった。一方で、精巣周囲脂肪におけるTreg数はアディポネクチンKOマウスで有意に減少していた。また、精巣周囲脂肪ではマクロファージ数も減少した。すなわち、アディポネクチンKOマウスでは腸間膜リンパ節におけるTregの変化は認められず、脂肪組織における免疫細胞数のみが変化していた。したがって、腸間膜リンパ節の免疫機能に対するアディポネクチンの作用は認められず、脂肪組織特異的にマクロファージとTregの両者に対して作用することが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

作年までに腸間膜リンパ節切除モデルにおける耐糖能異常と、腸間膜脂肪組織における炎症状態の惹起を明らかにしている。当初の計画通りに、本年度は抗炎症作用を有し、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンの作用を明らかにするための解析を行った。その結果、アディポネクチンが脂肪組織における免疫細胞数に影響を及ぼし、慢性炎症の病態形成に関与していることを見出した。したがって、目標は十分に達成されたと考える。

今後の研究の推進方策

現在までの研究によって腸管膜リンパ節切除によって腸間膜脂肪組織で炎症状態が惹起されること、アディポネクチン欠損によって脂肪組織のマクロファージとTregが減少することを見出した。次年度は炎症細胞のmRNA測定や、FACSによる解析などの詳細な検討を行う。腸間膜リンパ節と脂肪組織との関連を明らかにすることで、内臓脂肪型肥満における腸間膜リンパ節の意義を明らかにすることができると考える。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度にFACSを行うため、抗体を購入する予定であり、次年度使用とした。

次年度使用額の使用計画

糖代謝指標測定、FACS用の抗体、マウス購入費用、PCR関連試薬、RNA抽出試薬、遺伝子発現量測定試薬の消耗品に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 脂肪細胞マクロファージはアディポネクチンによって維持され、PPARγ陽性調節性T細胞を誘導する2014

    • 著者名/発表者名
      小野寺俊晴、福原淳範、北村哲宏、大月道夫、下村伊一郎
    • 学会等名
      第19回 アディポサイエンス・シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2014-08-23 – 2014-08-23
  • [学会発表] 脂肪組織マクロファージによる調節性T細胞誘導2014

    • 著者名/発表者名
      小野寺俊晴
    • 学会等名
      第57回 日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2014-05-24 – 2014-05-24

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公開日: 2016-05-27  

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