マウスに腸間膜リンパ節切除を施行した。切除モデルの耐糖能を解析したところ、切除群ではOGTTでの血糖が高値であり、耐糖能が悪化した。フローサイトメトリーによって脂肪組織におけるマクロファージ数を測定したところ、精巣周囲脂肪では変化は認めなかった。一方で腸間膜脂肪ではマクロファージ数が著明に増加し、高脂肪食によってさらに増加した。腸間膜脂肪における免疫細胞マーカーの遺伝子発現量をリアルタイムPCRで測定したところ、腸間膜脂肪においてFoxp3の発現量が低下していた。すなわち、腸間膜リンパ節切除によって、腸間膜脂肪組織では抗炎症的に作用するTregが減少することで、マクロファージの浸潤が増加し、その結果、耐糖能が悪化する可能性が示された。 アディポネクチンKOマウスでは、精巣周囲脂肪におけるTreg数とマクロファージ数が減少した。一方で腸間膜リンパ節におけるTregの変化は認めなかった。したがって、アディポネクチンは精巣周囲脂肪組織の免疫細胞に強く影響することが明らかになった。
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