加齢に伴う筋力低下・筋萎縮(サルコペニア)は認知症と並び要介護の主要因となることから、その発症機序と早期予防・治療法の研究が求められている. 骨格筋は代謝特性の異なる速筋及び遅筋線維から構成されるが、サルコペニアの筋萎縮に伴い遅筋線維の割合が増加する. 骨格筋は体内の代謝調節作用を担い、運動トレーニングだけでなく様々な体内外の環境要因により、代謝変換を伴う筋線維タイプ(速筋および遅筋)の変化が誘導されるが、その機構はまだよくわかっていない. 申請者は、この筋線維タイプ変化を生きたまま解析する新技術をこれまで確立しており、本年度はこの解析方法を創薬技術として使えるようにハイスループットの手技を確立した. さらに、この技術で同定された物質が、筋線維タイプ変化を誘導することで筋萎縮の予防に有効かどうかを評価するため、新たな筋萎縮のモデルマウスの作製に成功した.
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