研究課題
発生・分化に伴う遺伝子発現は、いくつかのマスター転写因子により制御されている。また発生・分化に関わる一部の遺伝子群(グロビン遺伝子やAPO遺伝子など)はクロマチン上でクラスターを形成し、マスター転写因子による高次クロマチン構造変換を介して転写制御されることが報告されている。私どもはステロイドホルモン産生におけるマスター転写因子であるSF-1により、染色体6p12にクラスターとして存在するGSTA遺伝子ファミリーに属する全4遺伝子が発現誘導を受けることを明らかにしている。本研究では、GSTA遺伝子ファミリーが、高次クロマチン構造変換を介して転写制御されている事を3C assayにより初めて明らかにした。さらに遺伝子導入実験により、GSTA遺伝子ファミリーのうちGSTA1およびGSTA3が、プロゲステロンやアンドロステンジオンの合成に必須のイソメラーゼ活性を有していることを、細胞レベルで初めて明らかにし、これらの遺伝子がステロイドホルモン合成関連遺伝子群の一員であることを示した。一方、ステロイドホルモン産生異常症では、ステロイドホルモン合成酵素の欠損により引き起こされるケースが数多く報告されているが、これらの酵素遺伝子に欠損が見られないステロイドホルモン産生異常症もまた多くの症例があり、原因不明のnon-classic typeとして分類されている。本研究では原因不明のnon-classic typeとして分類されている先天性ステロイドホルモン産生異常症の症例40例以上について、成育医療センターとの共同研究で、Comparative Genomic Hybridization (CGH)法により250 kbにわたるGSTA遺伝子クラスター領域における遺伝子変異及び欠失の有無を解析したが、それらの症例との関連性についてまだ有意な結果は得られていない。
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