同種造血幹細胞移植のGVHDと不妊の関連に注目し、マウス骨髄移植モデルを用いて研究を行った。その結果卵巣にドナーT細胞の浸潤、卵巣顆粒膜細胞にアポトーシスがみられ、卵巣GVHDの発症が確認できた。顆粒膜細胞由来のホルモンAMHの産生が低下し、排卵数の低下が認められた。さらに、移植後の交配実験ではGVHD群で出産能の低下がみられた。一方Methylprednisolone 10mg/kgの投与で卵巣GVHDの発症が抑制され、妊孕性が維持された。以上の結果から、卵巣はGVHDの標的臓器であり、GVHD予防が卵巣機能と妊孕性の維持に重要であることが示唆された。
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