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2014 年度 実績報告書

細胞競合を介した幹細胞クローン増幅機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25670447
研究機関金沢大学

研究代表者

平尾 敦  金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (90343350)

研究分担者 田所 優子  金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (00447343)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード造血幹細胞
研究実績の概要

本研究では、造血幹細胞におけるRasシグナルの変動が幹細胞クローンの優勢・劣勢を決定する鍵になるのではないかという仮説に基づき、幹細胞クローン増幅のメカニズムの解明を目標として研究を進めた。本年度は、Ras/Raf/Erkシグナルを抑制する因子として発見され、FGF, EGF, Kitリガンド, IL-3などのシグナルを抑制することが知られているSpred1に着目して、幹細胞のクローン増幅に関する解析を進めた。Spred1欠損マウスは、長期的な観察によっても、白血病発症など顕著な血液異常は認められなかった。しかしながら、競合的移植実験を行うことにより、野生型マウス骨髄細胞よりも常に数的優位性を示すことが判明した。競合相手との移植細胞数の比率を変化させても、常にSpred1欠損造血幹細胞が優位となることが確かめられた。また、Spred1-flox;Rosa-CreERT2マウス由来の骨髄細胞と野生型マウス骨髄細胞を移植しキメラ状態にしておいた後、タモキシフェンを投与し,その後の両者の比率を解析しても、Spred1欠損細胞が優位となったことから、生理的な条件においても、本分子の存在が造血幹細胞の競合を制御していると考えられた。さらに、単一造血幹細胞の移植においても、同様に優位な骨髄再構築能を示した。以上の結果より、Spred1の発現レベルが、造血幹細胞のクローン増幅に重要な役割を果たしていると推察された。さらに、本分子の挙動が造血幹細胞の能力の変化を介して、老化や白血病化に寄与する可能性も示唆されることから、本研究が、様々病態の理解に貢献できると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Pleiotropic roles of mTOR complexes in haemato-lymphopoiesis and leukemogenesis.2014

    • 著者名/発表者名
      Hoshii T, Matsuda S, Hirao A.
    • 雑誌名

      J Biochem

      巻: 156 ページ: 73-83

    • DOI

      10.1093/jb/mvu037

    • 査読あり
  • [学会発表] Role of c-Kit signal modulation in the control of self-renewal and aging of hematopoietic stem cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Hirao A
    • 学会等名
      2015 US-Japan meeting on malignant hematopoiesis and stem cells.
    • 発表場所
      米国
    • 年月日
      2015-03-16 – 2015-03-17
    • 招待講演
  • [学会発表] The signaling pathways for the determination of hematopoietic stem cell fate.2014

    • 著者名/発表者名
      平尾 敦
    • 学会等名
      第76回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2014-10-31 – 2014-11-02
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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