再生不良性貧血(再不貧)発症の初期段階に関与するサイトカインを同定するため、シクロスポリン療法によって改善した非重症再不貧8例の未輸血・未治療時点での末梢血遺伝子発現プロフィルをマイクロアレイにより解析した。その結果、赤血球外造血に関連するいくつかの遺伝子の高発現に加えて、造血幹細胞を静止期に保つIL10、CXCL12などのシグナルパスウェイが活性化されていることが明らかになった。また、免疫抑制療法によって改善した別の再不貧12症例に対するエクソームシーケンシングでは、骨髄異形成症候群で検出される遺伝子変異の他に、造血幹細胞を負に制御しているPEG3、SMARCA2などの変異が同定された。
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