マウスモノクロナル抗リン脂質抗体231Dは、preliminaryな検討で血小板ADP凝集能低下を誘導したが、再精製された抗体では再現できず、3種のサブクローンいずれを用いても、やはり十分な再現性を示さなかった。一方、ヒトモノクロナル抗体であるEY2C9や一部の患者IgGでは認めた。現在、その機序について検討中である。 更に、μチップを用いフロー下の白色血栓を観察するT-TAS®では、抗リン脂質抗体存在下での性血栓傾向は乏しかった。抗リン脂質抗体を含めた動脈血栓症の予防に頻用されるADP受容体(P2Y12)阻害剤はAPSで効果的でない可能性もあり今後の検討が必要である。
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