マウスに卵白アルブミン(OVA)を繰り返し注射し免疫すると、アナフィラキシーを起こす個体が見られるが、繰り返し免疫した後に血中に増加する脂溶性因子がアナフィラキシー反応を顕著に抑制することを見出した。血清からクロロホルム/メタノール抽出し、DEAEクロマトグラフィーで300mMNaCl溶出画分に活性が認められた。抗体IgGの糖鎖へのフコース付加は抗体のエフェクター機能を抑制することが知られており、このときのマウス血中の抗OVA抗体IgG糖鎖へのフコース付加を調べたが顕著な変化は見出せなかった。繰り返し免疫の後に血中にアナフィラキシー反応を制御する未知の脂溶性因子が産生していると考えられる。
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