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2013 年度 実施状況報告書

マグネタイト・ナノ粒子を用いた新規結核ワクチン開発のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25670462
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東北大学

研究代表者

川上 和義  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10253973)

研究分担者 石井 恵子  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00291253)
高見 誠一  東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40311550)
冨樫 貴成  山形大学, 理学部, 助教 (80510122)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードナノ粒子 / ワクチン / 結核
研究概要

結核は今なお健康上の重大な脅威である。BCGがワクチンとして用いられてきたが、成人結核の予防効果が確認されておらず、新規ワクチンの開発が求められている。近年、ナノ粒子技術を応用したワクチン開発が行われているが、酸化鉄Fe3O4(マグネタイト)を用いたものはほとんど報告がない。本研究では、申請者らが開発中のマグネタイト・ナノ粒子を用いた新規結核ワクチン開発へ向けた基礎的研究を行う。特に、結核ワクチンに求められる特性として、①樹状細胞への取り込み、②リンパ節への移行、③I型ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、メモリーT細胞の効率的な誘導について解析し、最適な粒子サイズ、表面修飾、アジュバントを詳細に検討する。
今年度は、表面修飾したマグネタイト・ナノ粒子への抗原の結合条件について検討を行った。共同研究者の解析からタンパク抗原にアルギニン(Arg)が複数個結合することでナノ粒子への結合が促進されることが明らかになったため、最初にArgを結合しないFITC、6個、8個結合したFITCを作製しナノ粒子への結合を検討したところ、FITCのみでは結合が検出できなかったのに対して、6または8個結合した場合は良好な結合が観察された。この結果から、次に6個のArgを結合したGFPを用いて同様な解析を行ったところ、ナノ粒子への良好な結合が観察された。しかし、表面修飾のない粒子へもある程度結合がみられたことから、今後さらなる結合条件の解析が必要と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マグネタイト・ナノ粒子へのタンパクの結合条件の検討で、タンパクに複数個のアルギニンを付加する必要のあることが明らかとなり、GFPの発現ベクターの組換えなど分子生物学的な操作に多くの時間を要したため、GFP結合ナノ粒子を用いたマウスや樹状細胞の実験の取りかかりに遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

前年度の研究からマグネタイト・ナノ粒子へのGFPの結合に目途が立ったため、GFP結合ナノ粒子を用いてマウスのin vivo実験、樹状細胞を用いたin vitroの実験を加速して実施する。また、結核ワクチン抗原へのアルギニンの導入が必要となったため、その発現ベクターの入手を試みる。その間、既に入手済みである肺炎球菌タンパクワクチン抗原の発現ベクターを用いてアルギニンの導入を進め、結核ワクチンの前段階として肺炎球菌ナノ粒子ワクチンの解析も実施する。

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公開日: 2015-05-28  

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