研究課題/領域番号 |
25670470
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
呉 繁夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10205221)
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研究分担者 |
冨永 悌二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00217548)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | モヤモヤ病 / MRアンギオグラフィー / RNF213遺伝子多型 |
研究概要 |
モヤモヤ病は、内頚動脈終末部に存在するウイリス動脈輪の両側性の閉塞による脳虚血と無数の異常側副血管新生による出血とを特徴とする。小児では、動脈硬化による脳卒中が極めて少ないため、小児の脳卒中の主因はモヤモヤ病となっている。モヤモヤ病の成因は全く不明であったが、申請者らは、日本人MMD患者の全ゲノム相関解析により疾患感受性遺伝子RNF213を特定し、モヤモヤ病患者の72%に共通な創始者変異を同定した(Kamada F, J Hum Genet,2011)。この遺伝子変異を持つ人は持たない人に比べ、モヤモヤ病の発症リスクが約190倍上昇することが明らかになった。更に、この変異のホモ接合体の患者さんはヘテロ接合体の患者さんより発症時期が早く、初発症状が一過性脳虚血発作より重篤な脳梗塞であることが多いことが分かってきた(Miyatake S, Neurology, 2012)。本研究では、まず、この創始者変異を迅速かつ簡便に検出する簡易遺伝子検査法を確立し、その信頼性を検証する。遺伝子変異検出にはPCR装置以外のアガロースゲル電気泳動などの機器が必要ない方法を用いた。この簡易遺伝子検査を用いて患者のご両親やご兄弟の遺伝子検査を実施する。更に、そのご家族の頭部MRアンギオグラフィー実施する。MRアンギオグラフィー所見とRNF213遺伝子型とを照合し、RNF213遺伝子検査とMRアンギオグラフィーの両者を用いた発症リスクの推定法を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モヤモヤ病患者に高頻度に認めらるRNF213遺伝子多型を迅速簡便に検出する遺伝子診断法を確立した。正確性の検証のため、キャピラリー・シークエンサーで遺伝子型を既に確認済みの20検体(うち、10例は野生型のホモ接合体、5例は変異型のヘテロ接合体、5例は変異体のホモ接合体)を使い、確立した遺伝子検査にて検出した遺伝子型が以前決定した遺伝子型とすべて一致し、信頼性を確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、日本人モヤモヤ病患者に高頻度に認められるRNF213遺伝子変異を簡便迅速に検出する方法を確立し、その信頼性の検証を行なった。平成26年度は、患者のご両親やご兄弟にご協力を御願いし、確立した迅速遺伝子検査と頭部MRアンギオグラフィーを実施する。モヤモヤ病感受性RNF213遺伝子型は、どちらかの親御さんから受け継いでいるため、発端者が感受性遺伝子型である場合、どちらかの親も同様の遺伝子型を持つ。従って、その方のMRアンギオグラフィーの軽微な変化を見出すことで、遺伝子検査のみに基づきリスク診断を実施することにより、その確度を高める事が出来ないかを検証する。
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