研究課題
最近我々は、40年以上に渡ってその原因が不明であった免疫難病、高IgE症候群の原因がSTAT3のドミナントネガティブ(dominant negative; DN)変異であることを世界で初めて明らかにした。その病態形成機構を明らかにするためにSTAT3-DNを発現する高IgE症候群のモデルマウスを樹立し、このマウスを用いて高IgE血症の原因を検討した。B細胞におけるIgE産生制御機構を解明する目的で、IgEを産生しているB細胞のマイクロアレイによる発現解析と、それに引き続きB細胞へのshRNAライブラリースクリーニングを実施した。マウス脾臓B細胞をLPS+IL-4や抗CD40mAb+IL-4等で刺激し、このとき野生型とSTAT3-DNマウスでその発現が異なる遺伝子を候補遺伝子として選択した。この候補遺伝子群を、活性化したマウス脾臓細胞において網羅的にノックダウンし、B細胞のIgE産生制御機構を解明ことを目指す。具体的には、マウスの脾臓細胞より免疫磁気ビーズでCD19陽性のB細胞を分離する。B細胞をLPSとIL-4や抗CD40mAbとIL-4で刺激し、LPS単独または抗CD40抗体単独で刺激した場合と比較して発現が上昇している遺伝子群をマイクロアレイ法により検索する。これまでの検討で、約12000個の遺伝子がこの基準に合致していた。この遺伝子群の中に、IgEのクラススイッチに必須の遺伝子が存在しており、さらにIgE産生を制御している遺伝子が存在している可能性が考えられる。本研究計画では、薬剤開発への発展性を考慮して397個のレセプター、287個の転写因子、186個のキナーゼ、85個のフォスファターゼ、合計955個をノックダウンのターゲットとした。そのshRNAスクリーニングにより複数のIgE産生制御の抑制因子と促進因子を見出した。
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