非ジストロフィン遺伝子の全長cDNAのクローニング これまでのDMD症例の詳細な解析結果と多数のジストロフィンmRNA解析結果からジストロフィン遺伝子の中央部に独自のプロモーターと終止コドンを有するmRNAの存在が強く示唆されている。その示唆に基づき新しいmRNAの断片配列を入手し、その断片配列を手懸りとして転写産物の全長を明らかにした。現在明らかにした全長cDNAからは、一部ジストロフィンの配列と重なり、3’末端領域の配列が全く異なる新規ジストロフィン遺伝子産物と確認された。 新規mRNAにコードされたタンパク解析 明らかにした塩基配列をもとに新規mRNAにコードされたタンパクのアミノ酸配列を明らかにした。そして、このタンパクのジストロフィンとは異なる新規配列部位を特異的に認識する抗体の作製をはかった。ペプチドを合成し、それを免疫源としてウサギに投与したところ、特異的抗体と考えられる抗体の作製に成功した。そして、得られた抗体を用いて、タンパクの発現組織などを免疫染色し、その特異性などについて検討を加えている。
|