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2015 年度 実績報告書

小児難治性てんかんの原因究明のための遺伝子解析技術を駆使した多角的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25670486
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

伊藤 雅之  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所疾病研究第二部, 室長 (50243407)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードてんかん / 大脳皮質形成異常 / 次世代シークエンサー / 体細胞変異
研究実績の概要

本邦のてんかんの有病率は約1.0%で、その70%は小児期に罹患する頻度の高い疾患である。小児難治てんかんの多くは行動異常や知的障害を合併し、しばしば家庭生活や学校生活を困難にする。小児難治性てんかんの中で、先天性脳形成障害を原因とするものは少なくない。
本研究で対象とする大脳皮質形成異常(FCD)と片側巨脳症(HME)は大脳皮質の一部分に形成異常がみられる疾患である。近年の遺伝子解析技術はゲノムレベルでの網羅的解析を可能にした。当施設は年間約100例のてんかん外科手術を有する国内有数の施設であり、臨床データのみならず病理標本や凍結組織を管理している。こうした環境を基に、外科的切除組織から神経細胞のDNAだけをcell sorting法により取り出し、CGH(Comparative genomic hybridization)アレイ法と次世代シークエンサーによるターゲットシークエンス解析を用いてFCDとHMEの原因遺伝子を解析した。研究参加の承諾を得た28症例を解析した結果、HME1例に病巣部の遺伝子異常を約15%の割合で見出し、病変部の体細胞変異を明らかにした。また、FCD4例で胚細胞のヘテロ接合体異常を明らかにした。さらに、その病原性について遺伝子異常発現ベクターを作成し、HeLa細胞への移植とマウス子宮内胎仔脳内移植により、Gain-of-functionによる機能障害が神経細胞の異常化をもたらすことを明らかにした。現在、in vivo研究のためのモデルマウス作成とそれを用いた原因遺伝子産物の機能回復による治療法の開発を展開している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Two siblings with cortical dysplasias: clinico-electroencephalographic features.2015

    • 著者名/発表者名
      Fukasawa T, Kubota T, Maruyama S, Saito Y, Itoh M, Kakita A, Sugai K, Otsuki T, Kato M, Natsume J.
    • 雑誌名

      Pediatr Int

      巻: 57 ページ: 472-475

    • DOI

      doi: 10.1111/ped.12509.

    • 査読あり
  • [学会発表] 形成障害.2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤雅之
    • 学会等名
      第11回神経病理コアカリキュラム教育セミナー. 第56回日本神経病理学会総会学術研究会.
    • 発表場所
      九州大学百年記念講堂. 福岡
    • 年月日
      2015-06-03 – 2015-06-03
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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