我々は遺伝学的手法を用いて自閉性疾患の原因遺伝子の探索を遂行し、時計遺伝子の一種であるNR1D1に変異を見出した。そこで、子宮内胎仔脳遺伝子導入法を用いて、発達期のマウス大脳皮質でNR1D1を発現抑制し、固定切片を作成して観察したところ、神経細胞の移動障害が観察された。また、NR1D1の発現抑制は、脳室帯の幹細胞の細胞周期には影響を与えなかった。そこで、移動障害の実態を詳細に解析するために、NR1D1を発現抑制した脳切片の共焦点顕微鏡ライブイメージングを行い、幹細胞から分裂した新生ニューロンが中間帯から皮質へと移動し、皮質内を脳表面へと移動する様子を観察した。
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