研究課題
挑戦的萌芽研究
質量分析(mass spectrometry: MS)法技術の著しい発展により、蛋白質や脂質といった生体高分子の多彩な翻訳後(合成後)修飾や生理活性の変化が注目されている。質量顕微鏡法とは、生体組織切片において、質量分析(MS)を二次元で行い任意の生体高分子の平面分布を検出しうる画期的な新規解析技術である。研究代表者の伊東宏晃らは、最近質量顕微鏡法を用いてヒト胎盤絨毛における生体高分子分布の解析方法確立した(Placenta 31; 245, 2010)。本研究計画では質量顕微鏡法による解析を、胎児発育不全を代表とする胎児側の合併症ならびに妊娠高血圧症候群などの母体合併症の胎盤において世界で初めて行い、病態に特異的な生体高分子翻訳後修飾を同定することを研究目的とする。今年度は、20症例の胎児発育不全症例ならびに対象症例20例、合計40例の胎盤をサンプリングし、質量顕微鏡解析を行う基礎検討を行い、少なくともsphingomyelin (d18:1/16:0)とphosphatidylcholine (16:0/20:4)の分布に関する解析が可能であることを明らかにした。次年度はさらに詳細な検討を行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
研究に必要な胎盤のサンプリングを終了し、質量顕微鏡解析のための基礎検討を終了しているため
胎児発育不全症例および正常対象症例の胎盤において、詳細な質量顕微鏡による二次元解析を行い、HE染色錠と比較して、胎児発育不全症例の胎盤の絨毛構造に特異的に発言亢進あるいは低下している生体高分子の同定を目指す予定である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (2件)
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