研究実績の概要 |
コントロール群 10例、早産児群 32例、胎児診断症例群 38例より、研究への参加の同意、臍帯血を得ることができた。順次、臍帯血中液性因子、臍帯血血管内皮前駆細胞 (EPC) の定量・分離・培養・保存、分離細胞の各種 in vitro 細胞機能検査と in vivo 血管形成試験を実施した。また、肺低形成の動物モデルの作成や、EPC移植実験のための予備実験を開始した。 新生児肺発達障害の代表的な疾患である先天性横隔膜ヘルニア (CDH) とコントロール群においては、flow cytometryを用いたEPCの定量、single cell colony formation assay による自己複製能・コロニー形成能、細胞増殖曲線作成による増殖能の評価、modified Boyden chamber assay やscratch wound healing assay による migration機能の評価、tube formation assay による脈管様構造形成能の評価、一酸化窒素合性能の評価、NOD/SCID マウスへのヒトEPC移植による 血管形成能の評価、臍帯血血漿 VEGF, SDF1濃度測定、EPCの VEGF, SDF1 産生能の測定、血管新生に関与る遺伝子発現の評価などを行うことができた。CDH 症例からの臍帯血由来 endothelial colony-foming cell (ECFC: EPC の一種)においては、上記の細胞機能の障害と血管形成能の低下が見られた。CDH における ECFC 機能障害が示され、肺低形成における血管形成障害の関与が示唆された。これらの結果の一部は、American Journal of Physiology-Lung Cellular and Molecular Physiology に掲載され(in press)、American thoracic society 2016 international conference にて発表された。
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