煙草の成分であるニコチンが結合する受容体の一つであるα7ニコチン受容体は、炎症に関わっていることが知られているが、うつ病との関連は判っていない。今回、α7ニコチン受容体遺伝子欠損マウスを用いて、うつ病の病態におけるα7ニコチン受容体の役割を調べた。今回、α7ニコチン受容体遺伝子欠損マウスはうつ症状を呈することが判った。さらに、脳由来神経栄養因子(BDNF)が側坐核において有意に増加しているが、他の部位では差が無かった。この知見は、側坐核におけるBDNFの増加が、α7ニコチン受容体遺伝子欠損マウスのうつ症状の病態に関与していることが示唆された。
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