就学前児童2,937名を対象に疫学調査を行い、自閉スペクトラム症(ASD)疑い群は45名(2.0%)であり、精神疾患の家族歴があることをASDリスク因子として同定した。ASD群33名、定型発達(NT)群8名を対象に拡散テンソル画像を撮像し、異方性比率(FA値)を算出した。その結果、NT群に比しASD群のFA値が左中小脳脚領域で増加、視床-脳弓領域で減少していた。ASD群において自閉症スペクトラム指数(AQ)とFA値との相関を調べ、AQ下位項目スコアの「注意の切り替え」と視床脳弓領域のFA値と負の相関を認めた。また、稀なASDリスク候補遺伝子を複数罹患家系のエクソーム解析より同定した。
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