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2013 年度 実施状況報告書

発達障害発症基盤としての胎生期脂質代謝異常の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25670512
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関福井大学

研究代表者

松崎 秀夫  福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00334970)

研究分担者 吉原 亨  金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (00401935)
岩田 圭子  福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命助教 (30415088)
出雲 信夫  横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (70368976)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード脳・神経 / 発達障害 / 脂質
研究概要

本研究では「胎生期の高脂肪環境が、視床下部の再プログラムを介して胎児の発達障害をもたらす」と仮説を立て、動物モデルを用いた行動・遺伝子解析を連携させることにより胎生期の脂質代謝が脳に与える影響を調べ、発達障害との関連を問う。
平成25年度には、以下の要領で胎生期高脂肪食負荷モデルを作製して、これまでに得られた行動実験結果の再現性を確認した。
①ICRマウス8週齢の雌雄を12匹ずつ購入し、通常の給餌・給水で飼育する。飼育2週目に交配を開始し、3~4日間後に雄マウスをケージより取り出す。妊娠したマウスを2群に分け、一方は給餌を45%脂肪Test Dietに変更して高脂肪食群とする。もう一方は対照群として22%脂肪を含むTest Diet基礎飼料を給餌する。この給餌を出産日まで続け、満期出産により出生する各群の雄マウスが8週齢に達した段階で社会的行動の障害の有無、自発的な移所行動量変化、中枢刺激薬投与後2時間の行動量の変化を行動解析装置により評価した。その結果、いずれの実験にも高脂肪食群と対照群との間で有意差はみられなかった。
②上記同様に胎生期高脂肪食負荷を与えたC57BL/6マウスを作製し、テストバッテリー方式の網羅的行動解析を8週齢に達した段階で実施した。その結果、高脂肪食群について活動性の増大、プレパルス抑制の障害がある傾向がみられた。
予定していた胎生期高脂肪食負荷ラットの検証やマウス脳の形態学的検討は、マウスに与えた高脂肪食の条件設定をやり直すために行われなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画に沿った内容で例数を増やした検証を行ったが、本研究で対象としていた胎生期高脂肪食マウスの多動が再現できなかったため。

今後の研究の推進方策

高脂肪食負荷の内容を45%脂肪Test Dietから50%脂肪Test Dietにdoseを上げて、再び出生したマウスの行動実験を行う。ラットについては検証を中止する。行動実験の結果に応じて、そのマウスの脳内遺伝子発現解析、脳内遺伝子メチル化解析を追加する。

次年度の研究費の使用計画

胎生期高脂肪食負荷マウスの条件設定ののち、当初の実験計画にそって、マウスの遺伝子解析とメチル化解析を進める。
給餌を50%脂肪Test Dietに変更して高脂肪食群の行動実験を再度行う。のち、有意な行動の差異がみられた場合に次の実験を行う。
①胎生期高脂肪食負荷マウスの脳内遺伝子発現解析:高脂肪食負荷マウスの脳からmRNAを用時抽出する。これらのmRNAを用い、マウス用発現解析アレイによって遺伝子発現の網羅的解析を行う。クラスタリング解析後、高脂肪食負荷マウスで有意に変化する遺伝子を抽出し、定量的リアルタイムPCRで確認する。有意な変化を認めた遺伝子について特異的抗体を用いたウェスタンブロット法によって脳内タンパク質発現を検討する。
②胎生期高脂肪食負荷マウスの脳内遺伝子メチル化解析:高脂肪食負荷マウスの脳からgenomic DNA (gDNA)を抽出する。次世代シーケンサーで解析して得られた結果を基に統計学的解析を行い、有意にメチル化が変化した遺伝子、特に遺伝子解析の結果と合致する遺伝子を抽出する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 発達障害発症基盤としての胎生期脂質代謝異常

    • 著者名/発表者名
      松崎秀夫
    • 学会等名
      第2回日本DOHaD研究会年会
    • 発表場所
      国立健康・栄養研究所
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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