精神疾患の発症に強い影響を及ぼすゲノムコピー数変異(CNV)が同定されている。本研究では精神疾患の霊長類モデルを発見する為ニホンザルのCNV解析を実施し精神疾患関連CNVを探索した。335頭の全ゲノムCNVデータから神経発達関連遺伝子(GRM5、NGF、BDNF、ADORA2A)に機能的影響を与えるCNVを同定した。ADORA2A領域の重複は精神疾患・神経発達症との関連が報告されているが、本個体の行動観察では明らかな異常を認めず今後詳細な表現型解析が必要だ。結果、ニホンザルのCNV解析から精神疾患の霊長類モデルの候補を同定しニホンザルのゲノム解析が精神疾患モデルの樹立に寄与する可能性を示した。
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