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2013 年度 実施状況報告書

毛根サンプルを用いた統合失調症のバイオマーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 25670520
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

吉川 武男  独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (30249958)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード毛根 / 遺伝子発現 / バイオマーカー / FABP4
研究概要

統合失調症は、一旦顕在発症すると予後がよくない場合が現在でも少なからずある。しかし、発症前駆期においては将来の転帰(自然寛解するのか、あるいは顕在発症に至るのか)について判断が難しいのが現状である。この意味でも、統合失調症の有用なバイオマーカーが必要とされる。我々は、脳と同じ外胚葉由来の頭髪の毛根に着目し、遺伝子発現を調べた。”Discovery sample set”として、統合失調症52人、対照群約62人の毛根サンプルを収集しRNAを抽出した。これらのサンプルを用いて、TaqManによる定量的RT-PCR法で遺伝子の発現量を測定した。なお、毛髪は1人あたり10本採取させていただいた。GeneChipを用いたmRNAの網羅的発現解析では、これらの検体からはRNAの量が不十分であるので、以下の標的遺伝子を選択して調べた。(1)GABA系関連遺伝子:GAD1, GABRD, GABRA1, SLC6A1, GAD2, SST, PVALB, CALB2、(2)オリゴデンドロサイト系関連遺伝子:MAG, CNP, SOX10, CLDN11, PMP22, CSPG4 (NG2), OLIG2、(3)脂質関連および他の遺伝子:FABPファミリー遺伝子, FAAH, APC, BDNF, NES, SLC16A1
上記のうち、CNP, PMP22, FABP4, FABP7で疾患群と対照群で有意差が見られた。
次に、”Confirmatory sample set”として、年齢・性別をマッチさせた統合失調症42人、対照群約55人の独立した毛根サンプルを収集し、”Discovery sample set”で有意差のあった4遺伝子の発現量を比較した。その結果、FABP4遺伝子のみが2つのサンプルセットで有意差を持って統合失調症群で発現量が予約半分に減少していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

統合失調症のバイオマーカーとして、毛髪におけるFABP4発現量の有意な低下を2つの独立したサンプルセットで特定できたこと。

今後の研究の推進方策

今後は、mRNAの他にmicroRNAの発現量も調べる。また、毛髪ばかりではなく、死後脳やiPS細胞でもFABP4の発現量を測定し、神経系におけるFABP4の役割を探索する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 統合失調症の新規病態の可能性について2014

    • 著者名/発表者名
      吉川武男
    • 学会等名
      浜松医科大学精神科マンデークラブセミナー
    • 発表場所
      浜松医科大学(静岡)
    • 年月日
      20140421-20140421
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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