• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

中途覚醒型不眠の代謝性バイオマーカー―脂肪酸代謝変化とレム睡眠発現異常の関与

研究課題

研究課題/領域番号 25670521
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

本多 真  公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, プロジェクトリーダー (50370979)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード中途覚醒型不眠 / 代謝指標 / レム睡眠
研究実績の概要

中途覚醒型不眠の生物学的背景は未解明であるが、レム睡眠発現異常が基盤として想定される。
本研究では過眠症群352例(ナルコレプシー229例、近縁過眠症123例)と対照群312例の主観的および睡眠脳波上の中途覚醒回数と関連する指標について横断的な探索と解析を行った(過眠症群の156例と116例はPSGとMSLT検査結果が利用可能だった)。予備検討に基づき中途覚醒頻度に関連する代謝指標として、脂肪酸代謝関連遺伝子型と長鎖脂肪酸β酸化の律速酵素CPT1の活性指標(C0/(t[C16]+t[C18]))に注目して解析した。
中途覚醒と関連する臨床症状として、年齢および睡眠薬服用で増加、過眠症群ではレム睡眠抑制作用をもつ三環系抗うつ薬(TCA)服用および夢・寝言や夜間摂食の頻度と関連した。MSLTでの入眠時レム睡眠期の発現回数は中途覚醒頻度と強い関連を示し(p=.002)、レム睡眠潜時は中途覚醒頻回群で5.5分→2.7分と顕著に短縮した。遺伝因に関しては、対照群では中途覚醒回数とCPT1B多型(p=.043)とHLA(p=.010)が関連し、ナルコレプシーと同じHLA遺伝子型をもつ健常者では睡眠持続性が低下傾向にあることが確認された(年齢性別と睡眠薬服用を調整)。またCPT1B遺伝子型(活性低下)が、特に肥満傾向の健常者で中途覚醒に関わる可能性が示された。過眠症群では、中途覚醒頻度とHLA遺伝子型は関連したが、予想に反して脂質代謝関連遺伝子の多型とは関連がみられなかった。脂肪酸代謝活性については、CPT1活性が過眠症特異的な低下を示し、過眠症のリスクを1.4-1.6倍高めることが判明した。また過眠症群における中途覚醒回数はCPT1活性指標と強い関連を示し、年齢性別BMIとTCA服用を調整した後も、関連が確認された(p=.074)。一方対照群では中途覚醒頻度が元来低くCPT1活性との関連はなかった。
脂肪酸代謝異常は、過眠症において中途覚醒頻度およびレム睡眠発現異常の双方の病態基盤として存在しうることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] CPT1 activity is a risk factor for narcolepsy: possible contribution of dietary habit2015

    • 著者名/発表者名
      Honda M
    • 学会等名
      World Association of Sleep Medicine
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      2015-03-25
    • 招待講演
  • [学会発表] Decreased CPT1 function is associated with and a risk factor for narcolepsy and essential hypersomnia.2014

    • 著者名/発表者名
      Honda M, Miyagawa T, Shigematsu Y, Kodama T, Tokunaga K.
    • 学会等名
      Eeuropean Sleep Research Soceity, congress 2014
    • 発表場所
      Tallinn, Estonia
    • 年月日
      2014-09-19
  • [学会発表] ナルコレプシーの症状と病態2014

    • 著者名/発表者名
      本多真
    • 学会等名
      第6回ISMSJ学術集会
    • 発表場所
      神戸ファッションマート、兵庫県神戸市
    • 年月日
      2014-08-01
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi