中途覚醒型不眠の生物学的背景は未解明であるが、レム睡眠発現異常との関連が想定される。過眠症多数例での横断的検討から、入眠時レム睡眠期の生じやすさが中途覚醒頻度と強く関連し(p=.002)、覚醒とレム睡眠の易移行性が高いことが中途覚醒の基盤として想定された。過眠症ではCPT1活性低下が中途覚醒回数と関連した。予備的検討で、過眠症症例の中に脂肪酸代謝促進が、レム睡眠持続性および中途覚醒減少をもたらす症例が存在したことから、脂肪酸代謝異常は、過眠症にみられる中途覚醒頻度およびレム睡眠発現異常の双方の病態基盤(因果関連を持つ)となっている可能性が示された。
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