研究課題
本研究の目的は、細かい加工が容易にできる半導体検出器を用いて構築された空間分解能が1 mm程度の「ヒト脳撮影用の超高分解能PET装置」を用いて、脳や癌などの代謝イメージングに応用し、その性能を評価することであった。ファントム等を用いて行った初期性能評価試験の結果、予想していたような画像を得ることができず、原因究明が必要となった。原因究明の結果、検出器自体の問題、散乱線補正の問題、装置デザインの問題などが明らかとなり、仕様変更と改造が必要となった。その作業中に予想外のPET装置の破損も起こり、多岐にわたる仕様変更ともあいまって、本装置を用いた臨床試験の実施は困難となった。実際の臨床試験および臨床画像の評価は、空間分解能が2 mmのPET型装置(PEM)を用いて行った。同装置による腫瘍の検出能力が全身用PET装置よりも優れていることはすでに示されていたため、[18F]FDGをトレーサーとして脳および前腕~手部の骨格筋のイメージングを行う形で実施した。同一被験者において同じポジションで撮影された高分解能MRI画像とも重ね合わせを行い、両者の画像を比較したところ、高分解能PETのほうが全身用PET装置よりも解像力が優れていて、空間分解能が高いほど、微小構造物の観察がしやすいことが再確認できた。今後は、改造された検出器を新しい装置デザインに従って配列した新PET装置を用いて臨床試験を行うことが計画されている。本研究で検討された事項は今後の測定に非常に有用なデータとなった。上記と同様の所見が将来の臨床試験でも再現されることが期待される。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 1件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 1件)
Hum Psychopharmacol.
巻: Epub ahead of print ページ: Epub
doi: 10.1002/hup.2524
Phys Med Biol.
巻: 61(2) ページ: 696-711
doi: 10.1088/0031-9155/61/2/696
J Nucl Med.
巻: 57(2) ページ: 208-214
doi: 10.2967/jnumed.115.164848
Psychogeriatrics.
巻: 16(2) ページ: 116-120
doi: 10.1111/psyg.12131
Int J Neurosci.
巻: 126(1) ページ: 39-45
doi: 10.3109/00207454.2014.992068
PLoS One.
巻: 10(10) ページ: e0140311
doi: 10.1371/journal.pone.0140311
Psychopharmacology (Berl).
巻: 232(19) ページ: 3497-3505
doi: 10.1007/s00213-015-4002-2
J Neurol Sci.
巻: 356(1-2) ページ: 124-128
doi: 10.1016/j.jns.2015.06.029
Nucl Med Biol.
巻: 42(9) ページ: 734-744
doi: 10.1016/j.nucmedbio.2015.05.001
Eur J Nucl Med Mol Imaging.
巻: 42(7) ページ: 1052-1061
doi: 10.1007/s00259-015-3035-4
Expert Opin Drug Saf.
巻: 14(2) ページ: 199-206
doi: 10.1517/14740338.2015.989831